(1)創価学会の日蓮主義・御書根本
創価学会は、日蓮主義と御書根本を掲げている。そして創価学会は、仏教の敵(創価学会の敵)に罵詈雑言を浴びせ、さらには叩き潰すとまで言っている。これは聖教新聞紙上で、創価学会幹部が何度も述べているし、コラムなどでも書かれていることである。
一般の日本人にとって、こうした創価学会の仏教には違和感があるだろう。しかし日蓮主義・御書根本を貫くと、こうした創価学会の姿勢が生まれるとしたらどうだろうか?
(2)秋元御書
姉崎正治は、「法華経の行者日蓮」(講談社学術文庫)の中で、日蓮の法華経の解釈は、中国天台大師智ぎの法華経理解の範囲にあるとし、正統な法華経信奉者とみなしている。そして姉崎は、同時に、日蓮の仏教の精神とはかけ離れた狂信性も指摘している。
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不殺生戒と申すは、是の如き重戒なれども、法華経の敵になれば、此れを害するは第一の功徳と説き給う也。(秋元御書)
例せば殺生戒は仏誡の第一であり、生物を残害しないのは道徳心の発端である。それにしても謗法の者を懲罰するは、法華行者の義務であり、いかに折伏してもこれに応じない者は、これが一命を断つとも已むを得ない。これかえって真の慈悲である。この意味からいえば、謗法者を殺すのは、法華経主義からいえば、不道徳でないのみならず、かえって大道徳になる。
----------↑引用↑----------
仏教の敵は、謗法をする者(仏の教えに背く者)である。殺してしまえば、それ以後は仏の教えに背くことはない。つまり仏の教えに背いた総数は、早く殺せば殺すほど少なくなるわけだ。だから仏の教えに背き続けさせているよりも、殺してでも止めさせることは慈悲なのである。
日蓮は、こうした考えに基づいて、「人を殺すということは大悪である。しかし仏教の敵を殺すことは慈悲であり、法華経信者として正しい」としたのである。
(3)創価学会の近い将来
秋元御書を読めば、創価学会の姿勢の原因が理解できるはずだ。創価学会は、日蓮の教えに忠実であるがゆえに、創価学会の敵を叩き潰そうとするのである。
そして秋元御書を肯定した者たちが、血盟団事件をはじめとする血盟団事件を担ったことを考えなければならない。日蓮宗が秋元御書を棚上げしていたのに対して、井上日召は秋元御書を肯定して血盟団事件を起こしたのである。創価学会もまた、徹底した日蓮主義・御書根本を掲げ、日蓮宗と日蓮正宗批判をしている以上は、早晩、井上日召と同じ境地に達せざるを得ないのだ。